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Live Report
2015.11.18 U.S.B.Tour! Final @横浜7th Avenue
Reported by 芙花
U.S.B.のデビューとなった今ツアー、全12公演のラストを飾るこの公演。
会場の横浜7th Avenueは1985年創業の名門ライブハウスで、若手ミュージシャンの登竜門とも言われています。
「若手」かどうかはさておき・・・この超大型新人バンドのデビューツアーの千秋楽にはふさわしい会場かもしれません。
開場すると既にステージでターンテーブルを華麗に操るDJバリK~ん氏の姿が。
開演前から音楽に浸れる贅沢な時間が始まっています。
掛っている音楽のビートに心地よく身を委ねているうちに開演時間になり、客席の明かりが落ちると・・・突然大音量で爆発音!
Opening Tuneにのって、まずは宇佐美氏がステージに登場。
続いて物販コーナーから客席を通っての須藤氏の登場に場内はどよめいてました。
1曲目の"About Us"は宇佐美氏がU.S.B.のために書いたオリジナル曲。
ボコーダー奏でられるメロディーが新鮮で、その曲名どおりU.S.B.の「自己紹介」ともいうべき曲。
「U.S.B.」のバンド名にならって、宇佐美氏→須藤氏→DJバリK~ん氏の順番で音が入ってくる仕掛けもあり、
全体的な曲の雰囲気としてもU.S.B.のアイコンとも言うべき曲だと思います。
次の曲は「Bass'n Voice」。
須藤氏のスラップが冴え渡るベースと某5人組のコーラスのコラボ曲で須藤氏のライブでもよく演奏されていますが、
U.S.B.バージョンはDJバリK~ん氏のスクラッチなども入って、より斬新なアレンジに仕上がっています。
続くMCで曲紹介やメンバー紹介をしたのですが、緊張しているのか宇佐美氏が噛んでしまい、
須藤氏がオネエキャラで「秀文、落ち着いて!」と声をかけ、宇佐美さんが「秀文、落ち着く!」と返して会場の笑いを誘う場面も。
このあたりのMCでの掛け合いはフロントマンたる須藤氏、さすがです。
オリジナル曲「I know」、こちらも宇佐美氏作曲のU.S.B.オリジナル。
親しみやすいポップな曲調の中で、DJバリK~ん氏のスクラッチが映えます。
須藤氏の「Welcome Home」、ゴスペラーズの「Dream Girl」「北極星」としっとりしたナンバーが続きます。
「Dream Girl」「北極星」での須藤氏のベースがとても温かい音色で響いて、
オリジナルの歌とはまた違う曲の魅力が引き出されていると思いました。
MCを挟んで、このライブ会場に来た人にしか聴けない曲を即興で作ってしまおう!というシーケンスショーのコーナーへ。
「80から130までの間で好きな数字を1つ言って」と須藤氏が会場のお客さんを1人指名します。
この日指名されたお客さんが指定した数字は「100」。この数字がこれから作る曲のBPMになります。
DJバリK~ん氏がそのBPMのビートを出して、宇佐美氏がこれを録音。
次にお客さんが4人指名されて、それぞれが音を1つずつ指定、この4つの音が今日の曲のベースラインになります。
ランダムに言われる4つの音でベースラインを作るのはやはり大変なようで、この日も須藤氏はしばし悩んでいましたが、
最終的にとてもカッコ良いベースの音ができあがり、その演奏も録音。
そこにDJバリK~ん氏が出した色々な音や須藤氏のベースでメロディらしき音を重ねていきます。客席の声も録音したのですが、
この日は場所柄、「中華街~!」(須藤さんによると「中華GUY」らしい)になりました。
ちなみに、客席の声を録音するようになったのは8本目の仙台公演からだとか。ツアー中にもどんどん演出は進化していたのですね。
最後に、今まで重なった音を全て合わせて即興曲が完成。
宇佐美氏のマニピュレーターとしての仕事の一端を垣間見られるという意味でもとても興味深く楽しいコーナーでした。
ここからしばしインターバル、ClubバリK~んの時間。お客さんも立ち上がって踊ったりしていました。
”Up Town Funk"がかかると客席も大盛り上がり。
ステージに戻ってきた須藤氏もサビの部分でお客さんをあおったりしながら、そのまま後半戦に突入。
オリジナル曲のAs You Like Itで後半戦がスタート。
この曲は、宇佐美氏がトラックを作っていたものの、メロディがついていなかったので須藤氏がメロディを付けたという
「初めての共同作業(by須藤氏)」によって作られた曲だそうです。
MCで、この曲のクレジットをどうするかという話になったのですが、「ストウサミヒデフミツル」という長~い名前が提案されていました。
須藤氏(正確には、須藤氏がベーシストの下野人司氏と組んでいる”すらっぷ×すらっぷ"というユニットの曲)の”Painful Heart”。
メロディアスな曲ではありますが、途中にDJバリK~ん氏のスクラッチがかっこよく入ったり、
宇佐美氏が須藤氏のベースをその場で録音したものを掛け合いのように流したり、
先ほどの即興コーナーで録ったお客さんの声を流したりと遊び心いっぱいの演奏でした。
次の”Like That"は宇佐美氏作曲のロックテイスト満載な曲。
サビの"♪Put Your Hands Up”でDJバリK~ん氏が両手を挙げると会場もすぐに反応して一体になって盛り上がっていました。
続く”Hod Rod"では、須藤氏がステージを離れて客席へ。
ただ客席に降りていくのではなく、お客さんが座っている椅子の上をベースを弾きながら渡っていくという
「椅子渡り」で会場の後方まで廻る須藤氏。
お客さんもグッズのタオルをブンブン振り回して須藤氏をあおり、どんどんヒートアップ。
"Border Line"は安岡優氏のソロアルバムに宇佐美氏が提供した曲ですが、これがボコーダーボイスにすごくはまってました。
「本編最後」の曲は、須藤氏作曲のオリジナル曲「U.S.B.」。
夕暮れ時を思わせる切なく美しいメロディーの素敵な曲です。このツアーが始まった時にはタイトルが付いていなかったそうですが、
某5人組のY氏がこの曲名しかないでしょう、と付けて下さったそうです。
須藤氏は、「そうか、ラストの1曲だしやっぱりユニット名と同じ曲名だよなあ」と思ったそうですが、
Y氏曰く「違うよ、『うん、そう、バカだなあ』だよ」とのこと。
アンコール1曲目は「上を向いて歩こう」。須藤氏のベースが「歌っている」感じです。
アンコール2曲目、全体のラストは「Dance With You」(宇佐美氏作曲)。
須藤氏はこの曲のデモを聴いて、「この2人を誘ってこういうことがやりたかったんだ」と思われたそうです。
冒頭の「About Us」はU.S.B.の特徴をよく表した曲ですが、こちらもまた別の形でU.S.B.を象徴する曲なのかもしれません。
ボコーダーで奏でられるサビの"I wanna dance with you~"のフレーズがとても心地よく、一度聴いたら忘れられない曲で、
ふと口ずさんでしまう親しみやすい曲です。この曲では、須藤氏もボコーダーでボーカルを披露していました。
ベースとマニピュレーター、DJで構成されている前代未聞のバンド、U.S.B.。あらゆる意味で規格外、
これほどまでにどんな音楽をやるのか予想がつかないライブも初めてでした。
ただ観る、聴くだけでなく、観客も曲に参加できるという点が他のライブにはないところかもしれません。
とにかく、音楽に少しでも興味のある人なら絶対に楽しめることは間違いなしです!